ラジエーター
Radiator
概要
ラジエーターは熱交換器の一種であり、冷却対象の流体や熱源の流体を内部に流し、
周囲の空気や水に熱伝導を利用して放熱する。
管を基本構造とし、限られた空間で表面積を大きく獲るために蛇行させたり、
複数の細管に分岐させたり、管の外壁に放熱板を設けたりといった手段が用いられる。
一般に自動車場合は、エンジンの冷却水を冷却する用途のものがラジエーター、
オイルを冷却する用途のものはオイルクーラー、
過給された吸入空気を冷却するものはインタークーラーとして、
区別して呼ばれる場合が多い。
【出典】https://ja.wikipedia.org/wiki/ラジエーター
構造
エンジンのウォータージャケットとラジエーターはラジエターホースで繋がれ、
エンジンの熱を奪って高温となった冷却水は
ウォーターポンプ(遠心式のクーラントポンプ)による強制循環によってラジエーターへ導かれる。
ラジエーターを通過して温度の下がった冷却水は別のラジエターホースを通じてエンジンへ戻される。
冷却水の温度を最適な温度にするため、経路にサーモスタットによって温度調節弁を設け、
水温が低い場合は冷却水をラジエーターへ流さずにバイパス経路でシリンダーブロックへ戻される。
ラジエーターはアルミニウム合金製などのフィン付きの細管を多数並べたコアと呼ばれる構造と
細管の入り口と出口をまとめるタンクと呼ばれる構造からなる。
タンクには給水用のキャップを持つものが多い。
冷却水経路へのエア噛みを防ぐため、ラジエーター上部の取入口から冷却水を導入し、
ラジエーター下部の排出口から冷却水を排出する経路を採るのが一般的である。
また、多くの場合、ラジエーターの上端にラジエーターキャップを設けて
エア抜きを容易にしているが、冷却水経路の設計上、
ラジエーターキャップのみではエアの排出が困難な場合には、
冷却水経路にエア抜き栓を別途設けることもある。
冷却液の温度上昇により蒸気圧が大気圧を超えると沸騰するが、
内燃機関の冷却水経路は圧力をかけて100℃を超えても沸騰しにくい構造とされている。
しかし、圧力が高くなりすぎると破損に繋がるため、
ラジエーターキャップにはプレッシャーバルブが組み込まれ、
圧力が設定値以上になるとラジエーターサブタンクに冷却液を逃がすようになっている。
自動車などに搭載される場合はコアの方向によって、「ダウンフロー(縦流れ)方式」と
「クロスフロー(横流れ)方式」に分類される。
従来はダウンフロー方式が主流であったが、欧米を中心にクロスフロー方式が普及している。
横長で、タンクを含めた外形寸法が同じ場合で比較すると、
短辺にタンクが配置されるクロスフローの方がコア面積を大きく取れるため放熱性能上は有利であるが、
ダウンフロー方式と比較すると水路断面積が小さくなるため通水抵抗は大きくなる。
古くはドーナツ状のタンクの輪の内側に、金属の薄板をハチの巣状に張ったものが普及し、
後に水管式(チューブラー式)へと進化していった。
水管式は、チューブごとにフィンが独立していたが、さらにフィンの表面積を稼ぐため、
隣り合ったチューブの両方に接するよう、ジグザグ状のフィンを設けたコルゲート式へと変わった。
最近ではすべてのチューブをストレートフィンで繋ぐ、プレート式が登場している。
【引用】http://kyosin-rad.com/旧ラジエーターの構造/
【出典】https://ja.wikipedia.org/wiki/ラジエーター
ラジエーターキャップ
ラジエーターは内部の冷却水と外気の温度差が大きいほど冷却効率が上昇します。
そこで通常、ラジエーター上部にラジエーターキャップという圧力調整弁を装着して、
ラジエーター内部を高圧にし、冷却水の沸点を上昇(開弁圧力88kPaの場合、
沸点がおよそ120℃となり、通常よりも20℃沸点が上昇)させることで、
冷却効率をエンジンのオーバーヒートを防ぎます。
冷却水が高温になり圧力が高くなり過ぎると、キャップ内の主圧弁(加圧弁)が作動し
冷却水をリザーブタンクへ送ることで圧力を調整する、また温度が下がり低圧になると、
負圧弁が作動してリザーブタンクからラジエターへ冷却水を戻すことで圧力を適正に保ちます。
【引用】http://www.ngk-sparkplugs.jp/products/other/radiatorcap/01.html
クーリングファン
ラジエーターを通過する空気量を増大させるために用いるファン。
とくにアイドリング時や低速走行時、あるいはエアコンを効かせているときは
ラジエーターやエアコンのコンデンサーへの通風量の確保が必要になる。
そのため、下流側にファンを設け、空気を吸引する。
ファンカップリング式・電動式・油圧式がある。
ファンカップリング
縦置きエンジンのウォーターポンプの先端に装着し、
エンジンの回転を利用してファンを回す。温度センサーのバイメタルにより、
スライドバルブを回転させ、流入調整孔を開閉します。
この開閉動作により貯蔵室にあるシリコンオイルが、
作動室(ラビリンス室)に繋がる経路を接続したり 遮断したりします。
空気の温度が高温になると、スライドバルブが回転して、流入調整孔が開き、
遠心力でシリコンオイルが作動室に流れ込みます。
流れ込む量 (温度変化)とシリコンオイルの粘性により、
プーリーシャフトの回転トルクがローターからケースに伝わり、
ファン回転数を上げます。また空気の温度が下がると スライドバルブが回転して流入調整孔が閉じ、
作動室内のシリコンオイルは遠心力によって排出孔から貯蔵室に戻ります。
作動室のシリコンオイルが少なくなると、 オイルの粘性により伝わっていた回転トルクが無くなり、
ローターが空転することからファン回転数が下がります。
エンジンの駆動力損失や回転数の繊細な制御が困難であることなどから採用は減少している。
【引用】https://www.gmb.jp/product/cooling/fan_clutch.html
電動ファン
モーターを使用してファンを回すタイプで
エンジンが横置きの車の大半がこのタイプを採用する。
エンジンの回転数が低くても充分な風量が確保できるため冷却性能は高い。
ラジエーターのロワタンクや冷却水通路(サーモスタット付近が多い)に取り付けられた
サーモスイッチで電動ファンの電源を制御する。
サーモスイッチ
ラジエーターのロワタンクや冷却水通路に取り付けられ、設定温度で電動ファンの電源を制御したり、
冷却水のオーバーヒートを知らせるための過熱警告灯用として使用されている。
規格上設定されているスイッチは3種類ある。
いずれのスイッチも、作動する温度と復帰温度がある。
サーモフェライト式
内部にサーモフェライト、リードスイッチ、マグネットを持ち、
サーモフェライトが設定上の温度になると
急速に透磁率が低下する性質を利用して、リードスイッチをON-OFFする。
設計上、広範囲な温度設定ができ、駆動部がないので破損や摩耗もないなど、
様々な特性を持つが接点容量が小さい。
【出典】https://www.goo-net.com/pit/magazine/110273.html
サーモワックス式
サーモスタットなどと同様にワックスの膨張でスイッチをON-OFFする仕組みで、
接点容量が大きめとなっている。
【出典】https://www.goo-net.com/pit/magazine/110273.html
バイメタル式
2種の金属の膨張率の違いで設定温度になると
変形するバイメタルの特性を利用したもので、
傘型の円板にされたバイメタルが反転することでスイッチを作動させる。
こちらは、接点容量は用途に合わせて設定できる。
【出典】https://www.goo-net.com/pit/magazine/110273.html
サーモスタット
エンジンの冷却水を適温に保つための開閉弁。
冷却水の温度が低い時は、サーモスタットのバルブが
閉じていて冷却水はエンジンの内部だけを循環する。
冷却水の温度が設定温度以上の高温になると、
サーモスタットのバルブが開いてラジエター側へ冷却水が流れる。
冷却水の温度が下がると再びバルブが閉じる。
一般にワックス・ペレット型サーモスタットが採用されている。
ワックス・ペレット型サーモスタットは冷却水温度が高くなると、
固体のワックスが溶けて液体となって膨張します。
膨張すると、合成ゴムが圧縮されてスピンドルを押出します。
スピンドルはケースと一体で固定されているので、
ペレットが動かされケースとペレット間に隙間が発生します。
この隙間がバルブ開の状態です。冷却水温が低くなると、
ワックスが固体となって収縮して合成ゴムが元の状態に戻ります。
すると、ペレットがゴムに押されていた状態が解けるので隙間が塞がれて、
バルブ閉となります。
エンジン水温を制御する方法には、
サーモスタットをアッパホース側に配置するインライン方式と、
ロアホースに配置するボトムバイパス方式があります。
以前は、インライン方式が主流になっていたが、
水温が上がってサーモスタットが開いたときに、
エンジン側とラジエーター側の水温差が大きく、水温変動が大きくなることから、
現在は、サーモスタットの開閉がきめ細かくでき、
水温の変化が少ないボトムバイパス方式の採用が増えている。
【出典】https://clicccar.com/2019/11/07/927748/
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