タイヤ・ホイール(その1)
Tires and Wheels
タイヤのしくみ
タイヤはクルマの部品の中で路面に接している唯一の保安部品。
タイヤ一本の接地面積は、わずかハガキ1枚分。
タイヤには4つの重要な 役割があります。
車両の重量を支える
車体や乗員・荷物などの重量を支えます。
駆動力・制動力を伝える
エンジンやブレーキのパワーを速やかに路面に伝え、車を進めたり止めたりします。 路面からの衝撃をやわらげる路面の凹凸によって発生する衝撃を吸収し緩和します。
方向を転換・維持する
直進を維持したり、方向を転換したり、車の 進む方向をリードします。タイヤメーカーは、 4つの役割に加えてユーザーに安心・安全を提供するために7つの性能を追及しています。
直進安定性
横風や路面 の影響による車のふらつきを抑え、安定してまっすぐ走ろうとする性能。
ドライ性能
乾いた路面で、安全に止まり、スムーズに曲がることができる性能。
ウェット性能
雨などで濡れている路面で、安全に止まり、スムーズに曲がることができる性能。
低燃費性能
タイヤが転がりやすいとアクセルを踏む量が少なくなり燃料の 消費が減ります。 つまりタイヤを転がりやすくする性能。
ライフ性能
使用限度までの走行距離を長くする性能。
静粛性
タイヤが路面に接することで発生する音を抑える性能。
乗り心地
路面からの振動が車に伝わることを抑え、乗り心地を良くする性能。 タイヤメーカーは、燃費重視や乗り心地重視などユーザーの嗜好・用途に合わせて、 色々な性能のタイヤを商品化しています。
基本構造
【トレッド部】
タイヤが路面と接触する部分。路面からの衝撃や外傷から内部を守る役割を果たします。
表面には各種の模様(トレッドパターン)が刻まれ、グリップや 排水、摩耗の抑制といった性能を発揮します。
【ショルダー部】
タイヤの肩に当たる部分で、カーカスを保護すると同時に走行時に
発生する熱を発散させる役割を果たします。
【サイドウォール部】
タイヤのなかで最も屈曲が大きい部分。
カーカスを保護し、伸びを防ぐ役割を果たします。
表面にはタイヤサイズや偏平率、速度記号などの情報が 刻印されています。
【ビード部】
ホイールと結合される部分で、空気を充填した際にタイヤをリムに固定させる役割を果たします。
【ビードワイヤー】
スチールワイヤー(鋼線)を束ねてゴムで被覆したリング状の補強部材。
カーカスコードの引っ張りを受け止めてリムに固定する役目を担っています。
【カーカス】
タイヤの骨格を形成するゴムで被覆したコード層の部分。
荷重や衝撃、空気圧などに耐える仕組みを有しています。
【インナーライナー】
チューブレスタイヤの内面に貼り付けられるゴム層の部分。
気密保持性を確保する役割を果たします。
【ベルト】
ラジアルタイヤに配されるトレッドとカーカスのあいだのコード層。
カーカスを締めつけて、トレッドの剛性を高める役割を果たします。
【引用】【出典】https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/products/base/structure.html
トレッドパターン
リブ
周方向に連続した模様(タテ溝)操縦安定性が良い・転がり抵抗が小さい
低騒音である・排水性に優れる・横すべりが少ない。
ラグ
横方向に連続した模様(ヨコ溝)駆動力、制動力
けんいん力に優れる・耐カット性に優れる。
リブラグ
リブ型とラグ型を併せた模様リブで操縦安定性
ラグで駆動力、制動力を発揮させる。
ブロック
独立したブロックを配列した模様
雪路、泥ねい地の操縦性、安定性が良い。
【引用】https://tire.bridgestone.co.jp/about/knowledge/pattern/index.html
ラジアル・バイアス
基本構造は同じでも、タイヤ全体を形作るカーカス(骨格)のコードの配置方法の違いによって、
「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」という2つのタイヤに分ける事ができます。
ラジアルタイヤの方がより高い性能と経済的に優れる為、
現在ではほとんどの乗用車用のタイヤはラジアルタイヤになっています。
しかし、「バイアス構造」は比較的製造方法が容易というメリットがあるため、
モーターサイクル用タイヤ、産業車両用タイヤ、建築車両タイヤ、農業機械用タイヤに多く使用されています。
【ラジアル】
ラジアル構造は、カーカスがタイヤの中心から放射状(RADIAL)に配置されています。
それをベルトで締め付けています。
カーカスの原料は、乗用車用タイヤが主にポリエステル、トラック・バス用タイヤが主にスチール。
ベルトの原料は、乗用車用タイヤがスチールやアラミド、トラック・バス用タイヤが主にスチール。
ラジアルタイヤのメリット
・操縦性、安定性に優れる
・発熱が少ない
・転がり抵抗が少なく燃費性に優れる
・耐摩耗性に優れる
・スリップが少なく、けん引力が大きい
・高速での乗り心地が良い
【引用】http://www.tubelest.co.jp/blog/?p=166
【バイアス】
バイアス構造は、カーカスを斜め(BIAS)に配置しているので、1枚では、ねじれてしまいます。
それを防ぐため、逆方向に複数重ねています。
それをブレーカーで締め付けています。
カーカス・ブレーカー共に原料は主にナイロン。
バイアスタイヤのメリット
・低速、悪路走行での乗り心地が良い
・製造コストが安い
【引用】http://www.tubelest.co.jp/blog/?p=166
タイヤの表示
タイヤの種類によって異なります。乗用車用タイヤでは、
「195/60R14 85H」のように、
タイヤ幅、偏平率、ラジアル、リム径、ロードインデックス、速度記号の順に表示されています。
【出典】https://www.tftc.gr.jp/tire/qanda
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